人に依っては連休がスタートしている⁉︎4/26(日) 13:30より長崎ギター音楽院サロンにて第5回長崎ギターコンクールが開催されました。

結果や途中の様子はコンクールの公式フェイスブックページ → 長崎ギターコンクールFacebookページ をご覧頂くとして、一審査員としての個人的な見解を書きたいと思います。

まず全体的な話として、コンクールの順位、結果というのは「絶対では無い」ということです。ほかの参加者、審査員、本人のコンディションなど、変動する要素はたくさんあります。コンクールはミズモノと言いますから。楽しんだ者が勝ちです(^_-) 楽しむためにどれだけ準備できたかという過程の方が大切ですね。

今回のコンクールについては、審査結果を見て不思議に思う方も多いかもしれません。単純に合計したものと最終の順位が違う人がいるからです。また、同点の人もいます。これはこのコンクールが採用している増沢方式という審査システムを説明しないといけません。

奇数人で構成される審査員それぞれは、全ての演奏者に対して1位から順位を付けます。「1位に該当する演奏がなかったなあ」とか「殆ど差が無いから3位が2人だな」とか「みんな頑張ったから全員1位だ!」というのは無しです。個人的には音楽に順位をつける事自体に無理がある気がしますが、心を痛めながら順位を付けます。

出揃ったら演奏者ごとに合計します。この合計した数字が少ない方がいいわけですが、審査員によって評価のバラツキが大きかったり、同点が出た場合にどうするのか、という問題が残ります。そこで隣接する1位と2位(場合によっては1位と3位も)、2位と3位、3位と4位…..を比較してどちらに多くの審査員が上位を付けたかを確認します。これは例を出して説明しないとわかりにくいですね。演奏者が11人(A,B,C,D,….)、審査員が5人(a,b,c,d,e)という設定です。

        審査員
aaaaaaaaa aa b c d e
演奏者Aさん 2 2 3 5 7 合計19
演奏者Bさん 6 6 4 2 1 合計19

合計は同点ですが、Aさんを上位に入れた審査員がa,b,cの3人、Bさんを上位に入れた審査員がd,eの2人なのでAさんを順位は上にする、ということです。

もう一例

aaaaaaaaaaaa審査員
aaaaaaaaaaaa b c d e
演奏者Cさん 8 8 8 3 4 合計31
演奏者Dさん 5 7 6 7 9 合計34

合計点で見るとCさんが上位になりますが、Cさんを上位に入れた審査員が2人、Dさんを上位に入れた審査員が3人なのでDさんを順位は上にするということになります。

これが増沢方式です。みなさんの熱演を長時間聞かせてもらった後に、断腸の思いで無理やり順位をつけて、この作業をするのはなかなかシンドイものがあります^^;ほかにも100点満点で点数をつける、などいろんな審査方法はありますが、どんな方法でも一長一短があります。芸術を審査するのは難しい、ということだと思います。

今回の審査は非常に大変でした。順位を提出する前の審査員室はうー、とか あーとか「困った…」とかそんな声で満たされてました。その通りに審査結果は複雑になり、合計点数を出すところまでは表計算ソフトにしてもらったのですが、増沢方式の各順位の比較に時間がかかり発表が遅れました。

今年は(も?)初めて演奏を聴かせてもらう人もいれば、昔から知っている人、普段レッスンさせてもらっているすたじおGの生徒さんなどいろんな参加者がいらっしゃいました。
私は精一杯ニュートラルな気持ちで「今、聞こえてきている演奏」を「(私が考えている)音楽的な基礎が演奏から聞こえて来るか」をベースにして70点スタートで採点します。何か「いいな」と思える魅力があればどんどん加点します。基礎が…という場合は大変残念ですが心を鬼にして減点します。100点満点方式でも1点しか差が付かないこともざらです。
ちなみに、その場限りの「ちょっとしたミス」はあまり気にしていません。人間ですからミスはします。ミスした後どうなるかでその人の「地力」のようなものが大体わかります。地力がある人の場合はミスが大勢に影響することなく音楽が前に進みます。
「その場限りのミス」と「普段から弾けてない」であろう音の間違いは一回の審査でも大体区別できると思ってます。音の理解の間違いは普段の練習でなるべく無くすようにするべきです。その作業が練習ですね^^;地力のある人はこの種の間違いが初めから少なく、解決法もいろいろ持っている(例:ホ長調だったら基本的にソは#なのだから、3弦の開放弦はあまり出てこないだろう、など)ので訂正も容易で、曲が早く、より良く仕上がるはずです。

その曲の一音一音に対する理解が深く、様々なものへの感謝と畏敬の念からくる信頼感があれば、演奏できる喜びが音から、仕草から滲み出てきて聞いている人を幸せにすると思います。
「音楽を演奏する」ということは聴いてくれている人の時間を奪うことですから、ほんのちょっとでもプラスな幸せな方向の気持ちに(する責任がある、とまでは豪語する勇気はありませんが)できるのが理想だと思います。

審査員はそれぞれの考え方で審査をするのでどういう点を重視するかで評価が分かれます。それで当然ですし、いろんな側面から評価するために複数の審査員がいるわけです。

私個人としての感想は、金賞一人、銀賞三人、銅賞四人、奨励賞三人、という印象です。同じ賞の中では差を付けきれないです。銀と銅の境目も曖昧ですが^^;

もう、全員「良く頑張ったで賞」ということにさせてください!

コンクール集合

この記事を書いた人

ギタリスト 橋口 武史
長崎出身で福岡に住む自然派クラシックギタリスト。

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